図面拾い出し作業の効率化のコツと注意点を解説!専用システム開発事例

あらゆる場面で、図面から設計情報を抽出して仕様書や発注書、企画書、積算、提案書、営業資料などに転記する作業が発生します。それら図面からの拾い出し作業は、積算に必要な情報(文字列)を探し出し、それらをエクセルに転記する作業が大きな作業の流れになるかと思います。
以前ご紹介しました図面から設計情報を抽出するツール(参考:CAD図面からExcel転記・貼り付ける作業を大幅削減する方法をご紹介)をご利用いただく方法もございますが、このページでは、さらなる作業効率化を目指し自動化した専用システム開発事例をご紹介いたします。

図面の拾い出し作業とは?

図面の拾い出しとは、図面内で使用されている設計情報(材料・数量・容量・個数・使用機材・型番など)をピックアップする作業です。業界によって図面内に記載されている設計情報は様々ですが、目的は主に、積算や発注業務、提案書や企画書作成のため、といった図面を作図する設計とは別の業務目的で必要な作業となります。

図面の拾い出し作業例

図面の拾い出し作業は、建設・建築業界で主に使われる言葉ですが、図面から情報を抽出する作業は、あらゆる業種で行われております。拾い出す内容は異なりますが、図面内に記載されている情報を抽出し、積算に必要な情報をエクセル等にまとめるという目的は共通しています。

建設・・・現場への輸送コスト情報、工事に必要な部材、作業員の人員手配、等
リフォーム・・・部材発注、塗布面積、材料の種類、等
設備メンテナンス・・・消防設備の配置箇所、AED設置個所、等
機械設計・・・ねじ・ボルトといった機械要素の個数、材料表の作成、仕様書作成、等
金型設計・・・穴加工情報、工作機の条件、等

手作業による問題点

前述の通り、あらゆる分野で図面に記載されている設計情報を抽出し拾い出し作業を行っておりますが、多くのお客様は、手作業による転記作業によって行われているのが現状ではないでしょうか。
手作業による拾い出しの場合、転記ミスや記入漏れが発生するリスクが発生します。それらを防ぐための確認作業を含めると、図面の拾い出しには膨大な作業時間がかかってしまいます。しかしながら、施工時間の算出や材料発注、人員確保といったコストに直接かかわることですので、慎重にならざるを得ません。

手作業による問題点
  • 転記ミスが発生する : 材料発注ミス・人員確保・工期(納期)遅れのリスク
  • 記入漏れが発生する : 材料発注ミス・人員確保・工期(納期)遅れのリスク
  • 確認作業が膨大になる : 担当者の負担が増大・ワークフローの遅延
  • 作業時間が膨大になる : 担当者の負担が増大・ワークフローの遅延

拾い出し作業を効率化するコツ

拾い出し作業を素早く正確に行うには、人が介在せずにソフトウェアを使って設計情報を自動的に抽出することではないでしょうか。
人間が目視で図面を確認しながら手作業による情報の転記作業を行うより、CADデータ(DWG/DXF、PDFなどのデジタルデータ)を使って、CAD図面内の設計情報を自動抽出することで記入漏れや転記ミスを軽減し、作業時間の大幅削減にもつながります。

紙図面からの脱却

まずは、紙図面ではなくCAD図面(デジタルデータ)にすることが第1歩です。

ソフトウェアを活用し、拾い出し作業を効率化させるためにも、CAD図面(デジタルデータ)が必要となります。昨今のDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められている流れからも、まずは紙図面からデジタル化(デジタイゼーション)から始めませんか?

カスタマイズで完全自動化も可能

拾い出し作業の効率化には、①Excel転記汎用ツールの利用、②積算専用のパッケージソフトウェアの導入、③社内独自の専用ツール作成、といった方法が考えられます。

当社では、図面データがあれば汎用的に利用できる「①Excel転記汎用ツール(製品名:Drawing Extractor)」を開発・ご提供しております。
さらに、このソフトウェアやCAD/CAMパッケージの開発ノウハウを活用した「③お客様の仕様に合わせた独自ツール」をフルカスタマイズでご提供することが可能です。

拾い出し作業内容自動化レベル導入コスト備考
①Excel転記汎用ツールの利用
(対象:汎用的に図面からエクセル転記したい方・図面によって抽出方法が異なる場合)
半自動税込 55,000円/年・参考)DX推進ソフト「Drawing Extractor」
・図面から設計情報をExcel転記する機能に限定
・CADがなくても図面を開くことができる
②パッケージソフトによる作業
(対象:積算に特化し建設・建築に特化した使い方をしたい方)
自動無料版~有償版・動作設定や作業内容をソフトに合わせる必要がある
・無料版~有償版まで搭載機能によって
・積算から見積まで必要な場合
社内独自の専用ツール作成
(対象:図面枚数が膨大・社内独自ルールがありパッケージ製品では対応できない場合)
完全自動応相談・フルカスタマイズで完全自動化も可能
・予算に合わせた内容
・他のアプリケーションとの連携も可能
CAD図面データを活用した拾い出し作業の効率化イメージ

図面拾い出し作業の専用システム開発事例

お客様の仕様に合わせた専用システムのカスタマイズの事例をご紹介いたします。
現在お困りのこと、拾い出し作業以外にもこんなことができないか?、他のアプリケーションとの連携をとりたい、など一度ご相談いただければと思います。

図面属性情報抽出システム(プラントエンジニアリング会社様)

複数の図面にある材料表を抽出・集計を行い、それらを一覧表に出力する専用システムです。任意のキーワードと取得方法を指定するだけで、材料表の自動抽出が行え、製造データ連携を実現します。

複数の図面を処理できるため、抽出する図面が多い場合は、作業時間を大幅に削減することができます。さらに、製造データとの連携を実現することにより、積算や仕様書作成だけに留まらず、検査・品質管理・カスタマーサービスなどあらゆるシーンで設計情報を共有することが可能となります。

複数図面からの図面属性情報抽出と製造データ連携
複数図面からの図面属性情報抽出と製造データ連携

図面内語句検索抽出システム(重工業メーカー会社様)

複数の図面から材料や製品物性値、塗料などの単語を検出し、発注作業を行うシステムです。システム化することにより、ベテランでなくても作業ができるようになります。
拾い出し作業には、見逃さないことが重要であり非常に集中力を必要とします。それらの拾い出し作業はシステムが行い、それらのデータを利活用する工程に注力できるような環境を構築できます。

図面内語句検索表示システム
図面内語句検索表示システム

まとめ

図面内の拾い出し作業を効率化させるためのコツは、図面内の設計情報(文字列)を抽出する作業は人が介在せずにシステム化で自動化することです。可能な限りシステム化することでヒューマンエラーを防ぎ、そして、より重要で技術的なノウハウが必要となる作業に人材を投入することです。

システム化を実現するには、まずは紙図面からデジタルデータを活用できるような体制に仕組みづくりが必要です。
DWG/DXFデータやPDFデータなどのデジタルデータが活用できる体制であれば、業種に関係なく、図面から設計情報を拾い出してエクセル転記するツールや、建設・建築に特化した積算専用パッケージソフトなども十分に活用できます。

また、弊社ではCAD/CAMパッケージ製品の開発ノウハウを活用し、お客様専用のシステム開発や受託サービスといった業務改善につながるご提案をしております。
何かお困りごとやご質問等ございましたら、下記のお問合わせフォームよりご連絡ください。

図面拾い出し作業システム相談・お問合せ